大岡越前祭(おおおかえちぜんさい)
四月に開催される茅ヶ崎4大祭りのひとつ
大岡家の家紋「大岡七宝」
1913(大正元)年~ ※戦災や関東大震災等で一時中断あり
茅ヶ崎のビックイベントである大岡越前祭。
毎年四月中旬ごろに実施され、多くのにぎわいを見せる、春真っ盛りを飾るイベントである。
この大岡越前祭の起源は、大正時代まで遡る。大岡越前守忠相は言わずと知れた江戸時代の名奉行。人格、見識共に優れ、時の将軍徳川吉宗の信任を得て、江戸町奉行、寺社奉行の要職を歴任、教科書に載っている目安箱の設置や現在の消防団のルーツといわれる江戸町火消の設置。貧病人のために小石川薬園内に小石川養生所を設置。また、飢饉対策作物として試作されていたサツマイモの栽培を助成する等、市民のために尽力した偉業は名高い。
中でも司法官として、公平で人情味あふれる裁定は、大岡さばきとして数々の名判決の代名詞となっている。
忠相公は1751年、75歳にて亡くなったが数々の功績に対して、1912年(大正元)年に従四位が贈られ、翌年に忠相公の墓所がある茅ヶ崎市の浄見寺にて贈位祭が行われ、これが大岡越前祭の起源となっている。
その後、関東大震災や戦争などで中断したが、昭和31年に復活し、今では10万人規模の一大イベントとして、春の茅ヶ崎を飾っている。土日曜日を通して催される同イベントは、土曜日に忠相公の墓所浄見寺を中心に地元まつりが行われ、地域住民、関係団体や地元大学などが連携して、これまたにぎわいを見せる。また、様々な協賛行事等も同時開催され、目玉となるビックパレードは茅ヶ崎駅北口・南口ともに交通規制がかかり、白バイ隊やバトンチーム、祭囃子やお神輿等、そして江戸時代さながらの大名行列が駅中心部を練り歩き、祭りのピークを迎える。
文化、伝統、歴史、新しい物から古い物等すべてが存在するこれほど多角度なイベントは、湘南エリアとしてはたいへん稀なイベントといえる。
同イベントが実施される四月中旬頃は、すでに茅ヶ崎の気温は半そで陽気となっていて、街はアロハシャツとビーチサンダルのスタイルに溢れ、さながら夏のスタートを感じさせる。
茅ヶ崎の季節到来を示す、象徴的なイベントとして多くのにぎわいを見せている。